じいちゃんばあちゃんが守ってくれていた
宮城県で、祖父と祖母のお墓参り
・お墓参りの時期 :秋のお彼岸
・誰と:両親と主人と4人で
・38歳/女性
母方の祖父母のお墓参りに行ったときのことです。とてもお天気の良い日でしたが、小さなお寺なので、他には誰もいませんでした。
じいちゃん、ばあちゃん、来たよ、と言いながら水を墓石に掛けました。父が新聞紙に盛大に火を付け、線香に火を移しています。全員で線香を手向けてから、お寺から借りたバケツを返しに行きました。
今年も来られてよかったね、と話し合いながら車に乗り込みました。祖父母のお墓は母の実家の近くにあり、なかなか来る機会がありません。当地の名物のお菓子を買って帰ろうということになり、しばらく車を走らせたところで、母が「あっ」と叫びました。お墓に貴重品を全部入れたハンドバッグを忘れてきたとのこと。どうも、線香を持つときに置いたまま、誰も気づかずに来てしまったらしいのです。
慌ててUターンしてお墓に戻ったところ、それは道路からも見える場所にちょこんと置いてありました。人通りが少ないとはいえ、よく無事に手元に帰ってきたものです。じいちゃんばあちゃんが守ってくれていたんだね、と口々に言い合いました。
墓石に挨拶をして、掃除を始めます。
東京都で、祖父母・伯父・伯母・叔父のお墓参り
・お墓参りの時期 :秋のお彼岸
・誰と:1人で
・49歳/女性
母が高齢になりお参りに行くのが困難になってきたので、5年ほど前から母方のお墓には私が行くようになりました。母方のお墓には、私の祖父母・伯父・伯母・叔父が眠っています。
祖父母は私が生まれる前に亡くなっていますので、私が小さな頃から可愛がってくれた伯父に会いに行くような気持ちでお墓を訪ねています。東京の品川といっても、お寺の墓地には大きな木があり、小さな森のようになっています。そのため、秋のお彼岸は蚊との戦いです。
お墓に着くと「伯父さん、久しぶりー」と墓石に挨拶をして、掃除を始めます。名も知らぬ小さな木の実やドングリがたくさん落ちているので、掃き集めます。その間も耳元でブンブンと羽音をたてる蚊を追い払うために、ホウキやチリトリを振り回します。
躾に厳しかった伯父さんが、こんな私の姿を見たら、きっと怒る事でしょう。お線香に火を点けようとしても、なかなか火がつきません。火がついたと思うと消えてしまいます。「ははーん、伯父さんは私を返したくないのね」などと小声で言いながら、今は亡き伯父さんの笑顔を思い出します。