お寺には数組の人がお墓参りをしていました / 偶然のお彼岸の出会い

父親と一緒に、結婚したばかりの妻を祖父のお墓にはじめて連れて行きました。春のお彼岸。妻の出身は寒い地方のため、山梨県の暖かい気候や、お寺の境内に咲き始めた花々に少し驚いているようでした。

お寺には数組の人がお墓参りをしていました。また、花の供えてあるお墓や、線香の煙がまだあがっているお墓がいくつもあり、私たちが来る前から、幾人もの人がお寺にお墓参りに来たことがわかりました。

お墓参りは、不思議な雰囲気があります。ご先祖様の前だからか、水を汲みに行ったりしてまったく知らない人に会っても、自然と挨拶の言葉が出ます。こんにちわ、今日は暖かいですね、など他人であって他人のような気がしない場所です。

そうしてなんとなく温かい気持ち、穏やかな気持ちになってお墓参りをした後、ゆっくりお墓を見回してみました。山の斜面にあるお寺なので、街も遠くにかすんでみえます。少し現実を忘れ、春の風に吹かれ、優しい気持ちになりました。

妻も同じだったらしく、お墓参りを終え、穏やかに景色を眺めていました。春のお彼岸のお墓参り、人のつながりを感じた時間でした。

私の祖母は数年前に亡くなりました。その祖母が眠っているお墓に毎年春のお彼岸にはお墓参りに出かけています。お墓のある場所はかなり田舎にある山のふもとなので、周囲は緑に囲まれていて、とても静かなところです。ただ我が家からかなり遠い場所にあるので、そう頻繁にお墓参りに行くことができないので、毎年春のお彼岸には行くようにしています。

昨年もそうしてお墓参りに出かけました。そして私たち家族がお墓にお参りをしていると、偶然同じようにお墓参りに来ていた方がいて、なんとその方は生前の祖母を知っていました。

私たちがお墓にお参りしていると、祖母の墓の二つとなりの墓にお参りをしていた方なのですが、その辺りの墓は私の遠い親戚の墓が集まっています。そのため私が顔を知らない方でも、遠い親戚だったり知り合いだったりするのです。

それにしても示し合わせたわけでもないのに、偶然のお彼岸の出会いには驚きました。もしかしたら祖母が引き寄せたのかもしれません。